第1 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号。以下「省令」という。)第1条第1項第1号に規定する耐圧に関する試験は、次に定めるところによる。
1 試験装置
(1) 次の図に示すような試験装置に、供試管(試験に供される給水管をいう。以下同じ。)又は供試用具(試験に供される給水用具をいう。以下同じ。)を通常の使用状態で取り付ける。
図 耐圧に関する試験装置例
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(2) 圧力計は、工業標準化法(昭和24年法律第185号)に基づく日本工業規格(以下単に「日本工業規格」という。)B7505―1号(平成19年)に規定するブルドン管圧力計(精度等級が1.6級以上の精度を有するものに限る。以下同じ。)又はこれと同等以上の精度を有するものを用いる。
2 試験操作
(1) 給水管
ア 供試管に室温(20±15℃。以下同じ。)の水を満たし、供試管内の空気を除去する。
イ 当該供試管の開口部を密閉し、1.75MPaの静水圧を1分間加え、その水漏れ、変形、破損その他の異常を確認する。
(2) 給水用具
ア 止水機構を有しない給水用具(エ及びカに規定するもの並びにオに規定する部分を除く。)
(ア) 供試用具に室温の水を満たし、供試用具内の空気を除去する。
(イ) 当該供試用具の開口部を密閉し、流入側から1.75MPaの静水圧を1分間加え、その水漏れ、変形、破損その他の異常を確認する。
イ 止水機構を有する給水用具であって、通常の使用状態において給水用具の流出側が大気に開口されていないもの(エ及びカに規定するものを除く。)
(ア) 供試用具の止水機構を全開にし、供試用具に室温の水を満たし、供試用具内の空気を除去する。
(イ) 当該供試用具の開口部を密閉し、流入側から1.75MPaの静水圧を1分間加え、その水漏れ、変形、破損その他の異常を確認する。
ウ 止水機構を有する給水用具であって、通常の使用状態において給水用具の流出側が大気に開口されているもの(エ及びカに規定するものを除く。)
(ア) 供試用具の止水機構を全開にし、供試用具に室温の水を満たし、供試用具内の空気を除去する。
(イ) 当該供試用具の止水機構を閉止し、流入側から1.75MPaの静水圧を1分間加え、その水漏れ、変形、破損その他の異常を確認する。
エ 加圧装置及び当該加圧装置の下流側に設置されている給水用具(カに規定するもの及びオに規定する部分を除く。)
(ア) この試験操作における給水用具とは、次の要件を満たす給水用具に設置されているものをいう。
① 当該加圧装置を内蔵するものであること。
② 減圧弁が設置されているものであること。
③ ②の減圧弁の下流側に当該加圧装置が設置されているものであること。
④ 当該加圧装置の下流側に設置されている給水用具について②の減圧弁を通さない水との接続がない構造のものであること。
(イ) 供試用具の種類に応じ、アからウまでに掲げる操作に準じて試験操作を行う。この場合において、アの(イ)、イの(イ)及びウの(イ)中「1.75MPa」とあるのは、「加圧装置の最大吐出圧力」と読み替えるものとする。
オ 熱交換器内における浴槽内の水等の加熱用の水路
(ア) この試験操作における給水用具とは、次の要件を満たすものをいう。
① 当該熱交換器が給湯及び浴槽内の水等の加熱に兼用する構造のものであること。
② 当該熱交換器の構造として給湯用の水路と浴槽内の水等の加熱用の水路が接触するものであること。
(イ) 水路に室温の水を満たし、水路内の空気を除去する。
(ウ) 当該水路の開口部を密閉し、流入側から1.75MPaの静水圧を1分間加え、その水漏れ、変形、破損その他の異常を確認する。
カ パッキンを水圧で圧縮することにより水密性を確保する構造の給水用具
供試用具の種類に応じ、ア、イ、ウ又はエに掲げる試験操作を行う。当該試験操作を行うとともに、供試用具の種類に応じ、ア、イ又はウに掲げる試験操作に準じて行う。この場合において、「1.75MPa」とあるのは、「20kPa」と読み替えるものとする。
第2 省令第2条第1項に規定する浸出に関する試験は、次に定めるところによる。
1 浸出用液の調製
(1) 試薬は次のとおりとする。
ア 精製水
蒸留法若しくはイオン交換法により精製した水、又は蒸留法、イオン交換法、逆浸透法若しくは活性炭吸着法を組み合わせた方法により精製した水。その電気伝導率は2μS/cm以下とする。
イ 有効塩素濃度0.3mg/ml次亜塩素酸ナトリウム溶液
次亜塩素酸ナトリウム溶液を、有効塩素濃度が0.3mg/mlとなるように精製水で希釈したもの。
ウ 0.04mol/l塩化カルシウム溶液
塩化カルシウム4.44gを精製水に溶かして1lとしたもの。
エ 0.04mol/l炭酸水素ナトリウム溶液
炭酸水素ナトリウム3.36gを精製水に溶かして1lとしたもの。
オ 塩酸(1+99)
カ 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム4.0gを精製水に溶かして1lとしたもの。
(2) 調製方法
ビーカーに精製水900mlを採り、有効塩素濃度0.3mg/ml次亜塩素酸ナトリウム溶液、0.04mol/l炭酸水素ナトリウム溶液及び0.04mol/l塩化カルシウム溶液を適量加えた後、精製水を加えて1lとする。
この溶液を塩酸(1+99)及びそれを10倍希釈したもの並びに0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液及びそれを10倍希釈したものを用いてpH調整し、水質がpH7.0(±0.1)、硬度45(±5)mg/l、アルカリ度35(±5)mg/l及び残留塩素0.3(±0.1)mg/lになるように調製する。
水質の確認は、次の表の左欄に掲げる事項について、同表の右欄に掲げる方法により行うものとする。
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カドミウム及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
水銀及びその化合物 |
還元気化―原子吸光光度法 |
セレン及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、ICP―MS法、水素化物発生―原子吸光光度法又は水素化物発生―誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下「水素化物発生―ICP法」という。) |
鉛及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
ヒ素及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、ICP―MS法、水素化物発生―原子吸光光度法又は水素化物発生―ICP法 |
六価クロム化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
亜硝酸態窒素 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン) |
シアン化物イオン及び塩化シアン |
イオンクロマトグラフ―ポストカラム吸光光度法(注1) |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン) |
フッ素及びその化合物 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン) |
ホウ素及びその化合物 |
ICP法又はICP―MS法 |
四塩化炭素 |
パージ・トラップ―ガスクロマトグラフ―質量分析法(以下「PT―GC―MS法」という。)又はヘッドスペース―ガスクロマトグラフ―質量分析法(以下「HS―GC―MS法」という。) |
1,4―ジオキサン |
PT―GC―MS法又は固相抽出―ガスクロマトグラフ―質量分析法 |
シス―1,2―ジクロロエチレン及びトランス―1,2―ジクロロエチレン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
ジクロロメタン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
テトラクロロエチレン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
トリクロロエチレン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
ベンゼン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
ホルムアルデヒド |
溶媒抽出―誘導体化―ガスクロマトグラフ―質量分析法、誘導体化―高速液体クロマトグラフ法又は誘導体化―液体クロマトグラフ―質量分析法 |
亜鉛及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
アルミニウム及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
鉄及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
銅及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
ナトリウム及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法、ICP―MS法又はイオンクロマトグラフ法(陽イオン) |
マンガン及びその化合物 |
フレームレス―原子吸光光度法、フレーム―原子吸光光度法、ICP法又はICP―MS法 |
塩化物イオン |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン)又は滴定法 |
蒸発残留物 |
重量法 |
陰イオン界面活性剤 |
固相抽出―高速液体クロマトグラフ法(注1) |
非イオン界面活性剤 |
固相抽出―吸光光度法又は固相抽出―高速液体クロマトグラフ法 |
フェノール類 |
固相抽出―誘導体化―ガスクロマトグラフ―質量分析法又は固相抽出―液体クロマトグラフ―質量分析法(注1) |
有機物(全有機炭素(TOC)の量)(注2) |
全有機炭素計測定法 |
味 |
官能法 |
臭気 |
官能法 |
色度 |
比色法又は透過光測定法 |
濁度 |
比濁法、透過光測定法又は積分球式光電光度法 |
1,2―ジクロロエタン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
アミン類 |
吸光光度法 |
エピクロロヒドリン |
PT―GC―MS法 |
酢酸ビニル |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
スチレン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
2,4―トルエンジアミン |
固相抽出―ガスクロマトグラフ―質量分析法(以下「固相抽出―GC―MS法」という。) |
2,6―トルエンジアミン |
固相抽出―GC―MS法 |
1,2―ブタジエン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |
1,3―ブタジエン |
PT―GC―MS法又はHS―GC―MS法 |